自営業の『資金繰り』って大変ですよね。
私も小さいながらも、10年以上個人事業を続けているので、痛いほどわかります。
独立当初は、少ない元手で右も左もわからずにがむしゃらにやってきましたが、ふと10年以上経って思うのが、自営業を長く続けることって並大抵のことではないなと感じます。
仕事自体の運営の大変さは楽しいので何とかなりますが、自営業の一番の問題は資金繰りではないでしょうか?皆さんもそう思いませんか?
正直、資金にゆとりがあれば、自営業ってそんなに苦しむこともないように思います。
実際に私もこれまで何度もお金については悩まされてきました。
どんなに小さい事業でも運転資金は必ず必要です。
自分の事業に投資しなければ商売も良くならないですし、投資すれば当然お金は一時的に減りますし、本当に投資すべきかどうか?というジレンマにも陥ります。
稼いでも稼いでも出ていくお金(コスト)も増えていきます。
それでもこれまで何とか資金の問題をクリアしてきました。
このページでは、そんな経験をもとに、自営業のお金の問題を解消するための安全な方法を書いてみたいと思います。
個人事業がお金の問題を解決するための具体策
お金の問題を解決
- せっぱ詰まった人はとにかく『副業』する!
- 低金利融資(借金)を受ける
- 小規模事業者持続化補助金制度を活用する
- 親からお金を借りる
- 転職するか、派遣の仕事をする
- 請求書を買い取ってもらう
1.せっぱ詰まった人はとにかく『副業』する!
来月の運営資金がない方や、お金が足りなくて生活費に困っている方も実際におられると思います。
そんな方は、まずは自分のプライドも投げうって『副業』をした方がいいです。
自営業をしていると、人に使われることがないので、雇われることに大して極端な嫌悪感を覚えるものです。
『人に雇われるのは嫌だな~』という気持ちはわかります。
でも、そんな悠長な状況にないのであれば、一歩足を踏み出すしかないです。
副業と言っても、『飲食店』などのアルバイトもあれば、「メルカリ」、「ヤフオク」などの『ネット販売』や『アフィリエイト』、『技術を売る』のも副業になります。
ただ、お金に余裕がないのであれば、真っ先に『日銭が稼げるバイト』をするのがベストだと思います。怪しくないバイトをね。
メルカリなどのネット販売は売れるかどうかは商品次第なので不透明ですし、アフィリエイトブログは成果が上がるまでに時間が掛かり過ぎますし、もしかしたら、全く成果が上がらない可能性だってあります。
ですので、すぐに稼ぎたい人の副業としては不向きです。
真っ先に自分の懷具合を良くしていかないと、自営業の仕事どころではないですし、生活も苦しくなる一方です。
まずは、資金の状況を良くするために日銭を稼ぐために働くことを考えてみると良いと思います。
おすすめは、歩合制のアルバイト・副業よりも、確実に現金が入る手堅いアルバイト。
今の日本は人手不足の状況が続いているので、仕事は選ばなければ案外すぐにバイトは見つかるのではないでしょうか。
2.低金利融資(借金)を受ける
借金というと、消費者金融みたいなものを思い浮かべる人もおられるかと思いますが、個人的にはそのようなものはおすすめしたくないです。
まず、金利が高すぎます。
すぐに返済ができるメドが立っているのならいいですが、もし返済能力もないのにそのような会社からお金を借りてしまうと、利息が雪だるま式に増えて、返済に困って大変なことになる恐れがあります。
個人事業の方には以下がおすすめです。
興味のない人は飛ばして読んでもいいです。
マル経融資(小規模事業者経営改善資金)
日本政策金融公庫という会社が行っている小規模事業者向け融資です。
商工会議所や商工会などの経営指導を受けている小規模事業者の商工業者が、経営改善に必要な資金を無担保・無保証人でご利用できる制度です。
商工会議所会頭、商工会会長等の推薦が必要。
実際に私も商工会で経営相談を受けて、このマル経融資を受ける許可は受けました(実際には利用しませんでしたが)。
このマル経融資は金利が1.21%(特別利率F 2019年7月現在)と低く、融資限度額は2000万円。
保証人、担保が不要というのもいいです。
商工会(商工会議所)で経営指導を受けなければならないのが面倒だと思う方もおられると思いますが、これだけ低金利なものは民間の融資会社では少ないので活用価値は高いと思います。
3.小規模事業者持続化補助金制度を活用する
『小規模事業者持続化補助金』は、小規模事業者向けの補助金制度です。
これはお金を借りるのではなく、事業にかかった費用に対しての補助金です。
融資のように直接お金が入るわけではないので、すぐにお金が必要な方には向きませんが、これから商売にお金が必要な方には便利な制度です。
対象経費の3分の2以内を補助してもらえます。
上限は50万円。
例えば、お店の看板代などに50万円を要した場合、補助金は3分の2の399,997円です。
ただし、費用は自分で先払いし、後から補助金を頂けるという流れです。
先払いをしなければならないので、資金に余裕がない方は厳しい面もありますが、後で投資した金額の3分の2のお金が戻ってくるこの補助金制度はかなり大きいですね。
補助対象経費は細かく決められていますから、補助の対象にならないものも多々あります。申し込み前に事前に確認なさってください。
こちらも最寄りの商工会議所(商工会)経由で申し込むといいです。
事業計画書作りに何度も商工会に足を運ぶことになりますが、補助金申請のサポートをしてくれます。
毎年募集時期がありますので、たまに確認しておくといいと思います。
ただし、気をつけておきたいのが、経営相談と言っても、商工会の職員はあくまでサラリーマンなので、商売に関しての本当の意味での理解はないと思った方がいいです。
4.親からお金を借りる
民間の融資会社からお金を借りると、金利が高い場合も多く、返せなかった時のことを考えると心配です。
その点、親からならその心配も少ないかもしれません。
ただ、個人的にはあまりこの方法はおすすめしません。
というのも、最初から『親をあてにする』と事業計画が甘くなる可能性がありますし、何より、全然儲かっていなくても、『またダメになったら親からお金を借りればいいや』というような甘い考えになる可能性があるからです。
そうなると、親はいつまでも独り立ちできない息子・娘を心配しなければなりませんし、親にも老後資金が必要ですので、子供にばかりお金を渡すのは正直辛いと思います。
自分で自営業を選んだのなら、意地でも自分でお金を稼ぐという強い気持ちを持つことがとても大事です。
そうやっていくうちにプロフェッショナル性が高まっていくと思います。
自営業を続けるには、絶対に負けないという強い意思が必要ですよ。
5.転職するか派遣の仕事をする
自営業が本当に「キツイ」「もう無理」という場合は、一旦自営業を辞めて、転職するのも手だと思います。
自営業の場合は、販売する商品やサービスの準備から、集客(ホームページ・ブログ・広告)、アフターフォロー、会計、税務処理、確定申告まですべて自分で行わなくてはなりません。
自分でもこれは本当に大変なことだと思います。
反対にサラリーマンなら、例えば営業だけとか、会計だけ等というように一部の業務だけ担うことが多いので、仕事の量としては楽になる可能性もあります。
それ以外の苦労は増えるかもしれませんが。
正社員になれば社会保険にも入れますし、ボーナスもあるかもしれません。
会社員になれば、自営業にはない手厚い保護を受けられるのはありがたいですね。
また、自営業をあきらめきれない方もおられると思いますので、そんな人には派遣社員という選択もあると思います。
簡単に正社員になれないことも十分ありうるので、派遣という手段も視野に入れておくと良いと思います。
派遣社員は社会的には弱い立場のように思われていますが、私も独立前に派遣社員として働いた経験があります。
実際にはかなり時間的にも融通がききますし(拘束時間が正社員ほど厳しくない場合がある)、厚生年金にも加入でき、場合によってはボーナスもある場合もあります。
私の場合は、昼は派遣社員として働き、夜は副業を同時並行でやっていましたので、案外収入も良かったですし、自営業単体でやるより安定していたと思います。
自営業がうまくいかなくても、そのような選択もあるということを頭に入れておくと、少し気が楽になると思います。
ただし、どんな仕事に就くにしても、人生設計はしっかりしておいた方がいいと思います。
6.請求書を買い取ってもらう
エンジニアや技術者、ウェブデザイナーなど様々なフリーランスの人で資金繰りに困るケースは、法人からの請負仕事を完了しても、法人から支払いがされるまでにタイムラグがあることです。
先方から早く支払いさえしてもらえば、生活も困らないのに支払いが遅くて苦しい・・・ということもあると思います。
そういう方は、「フリーランス」に特化した「請求書買取サービス」を利用するといいと思います。画期的なサービスです。
このサービスは「フリーナンス」という会社が請求書(売掛債権)を買い取って、その代金を依頼者(フリーランサー・個人事業主)の銀行口座に振り込むしくみです。
納品した法人から支払いを受ける前に、「フリーナンス」という会社があなたの口座にお金を振り込んでくれます。
なので、支払いが遅くていつも困っているような人の資金繰りが非常に楽になります。
ただ、もちろん「フリーナンス」という会社にも利益が必要で、請求書の金額の3%~10%を手数料として支払うことになります。
いつも仕事が終わってからもキャッシュフローで困っているという人にとってはとてもありがたいサービスなので、使ってみる価値はありますよ。
資金にゆとりがある人は『事業の安定化』を図る
比較的まだお金に余裕がある人は、今の事業の基盤をより強くすることを考えていくことが大切です。
事業が安定しない理由の一つが、『今日は儲かっても、明日はどうだか分からない』というような綱渡りな状態だからかもしれません。
そういう状況だと、自転車操業になりがちです。
そういう状況から脱するには、
ポイント
- お客さんのリピート率を高める。
- 販路を増やす。
- 安定的に売れる商品やサービスを見つける。
- 利益率を上げる。
- 見通しを立てる。
など色々あります。
まだゆとりがあるからと言って、遊びほうけていると、いつの間にか時勢に取り残されてしまったということもありうるので、余裕があるうちから色んな手を打っておくことが大切です。
それから、キャッシュフローや会計、お金の勉強もしておいた方が良いです。
事業がうまくいっていても、結局最後はお金がいくら残るかが大事なことなので、さまざまな角度からお金について学んでおく必要があります。
まとめ
今回の記事をまとめてみます。
お金の問題を解決
- せっぱ詰まった人はとにかく『副業』する!
- 低金利融資(借金)を受ける
- 小規模事業者持続化補助金制度を活用する
- 親からお金を借りる
- 転職するか、派遣の仕事をする
- 請求書を買い取ってもらう
1.せっぱ詰まっている人は副業(バイト)をする
とにかくお金に困っている人は、できるだけすぐに日銭が稼げるアルバイトを始めることをおすすめします。
まだ自営業の仕事が道半ばであったとしても、ある程度日銭は稼いだ方がいいです。
お金の心配をしながら、商売を続けるのはかなり難しいですからね。
2.低金利融資(借金)を受ける
比較的自己資金、時間にゆとりがある方におすすめです。
融資を受けることで、生活費と事業資金を別に準備できるメリットもあります。
ポイントは『低金利』。
間違ってもお金がないからといって、よく調べずに高金利の融資会社を利用しないように注意してください。
落ち着いて行動することが肝心です。
3.小規模事業者持続化補助金制度を活用する
比較的資金に余裕があり、事業を継続・拡大しようと思っている方に向いています。
こちらは補助金なので、お金が入るわけではないので、まさに補助として活用することですね。
4.親からお金を借りる
比較的、安全な資金を調達方法です。
ただし、甘えは禁物。
親に頼らず、真剣にビジネスを成功させる気持ちを持つことが大切です。
5.転職するか、派遣の仕事をする
もう自営業は諦めたという方なら、転職してサラリーマンになるのも手です。
どちらにしても、大きな覚悟が必要です。
軽い気持ちで考えていると失敗するので、真剣に自分と向き合うことが大切です。
また、自営業はやめないけれども、安定した収入を得たい方、社会保険に加入したい方なら、「派遣社員」になるのも手です。
派遣をしながらこれまで自営業でやってきたことを副業で続ければ、かなり安定したお金が稼げるのではないでしょうか。
ただし、副業をやると体力的にシンドイですし、副業をやる時間も当然必要になるので、どうバランスを取るかをしっかり考えていく必要があります。
以上、どんな仕事にも一長一短はありますが、現在の状況に合わせてご自身に合った道を選ばれるといいと思います。
厳しい時代ですが、お互いに頑張っていきましょう。