若かったり、起業して日が経たない人、なかなか仕事が軌道に乗らない人、仕事が不安定な人に多いと思うのが、『成長を急ぎすぎる』、『一気に稼ぎを増やそうとしすぎる』ケースです。
急拡大を目指そうとして問題にぶち当たってコケたり、良くないことに手を染めて、人から信用や援助を得られなくなり、孤立したりするケースも多いように思います。
成長を急ぎ過ぎてやりがちなこと
頑張り過ぎて健康を害する
これは私も若い頃やりました。別に仕事を拡大したいというわけではなく、少しでも収入を増やしたいと思って、連日夜遅くまで働いていたら、案の定、体を壊しました。
働くだけではなくて、四六時中頭の中で仕事のことを考えていて、眠ることができなくて、一日2~3時間ぐらいしか寝なかった時期があり、その時に体を壊してしまいました。
今思えばよく頑張りましたが、やっぱり体を壊してまでやることでもないかなと思いますね。
グレーゾーンで勝負しようとしてしまう
これは本当に良くないと思います。
グレーゾーンの例としては、不確かな商品やサービスの説明、ネットの商品写真を実際より良く見せる、ステマ(クチコミの買収)などです。グレーというか、ほとんどブラックですね。
グレーゾーンで勝負しようとする人は、私が見る限り、大体成長が止まるか、成長が遅々として進まなくなります。
なぜかというと、一つは人が離れていきやすくなるからです。
私もこういう人がいたら、本人には言わずにそっと距離を置きます。
もう一つは、不正や倫理にもとる行為をすることで、一時期は儲かるかもしれないですが、実際には自分に実力がついておらず、長いスパンでは仕事が続きにくくなるからです。
ステロイド注射をして活躍するスポーツ選手のようなものですね。
自分では実力が付いたと勘違いしてしまい、周囲に対する態度が横柄になったり、調子に乗ったりして、更に人が離れていくようになるように思います。
それから、無理に集客して自分のキャパシティーをオーバーしてしまうとか。
また、そのようなことが常態化してしまうと、集まって来る人が同じような考え方や倫理観の人、正しくものを見れない人ばかりになってしまい、段々成功とは無縁の場所に連れていかれるのではないかと思われます。
類は友を呼ぶですね。
結局、忠告してくれる人がいなくなって、商売は尻すぼみになるばかりか、自分の運も悪くなってしまうのではないかと思います。
着実に成長するには
調子に乗らない
調子に乗るなと言っても、正直、若かったり、経験が浅いと調子に乗ってしまいますよね。
私も少し儲かって調子に乗っていた時期がありました。
でも税金が高くて結局お金が残らず、その時にお金は稼ぐだけじゃなくて、守ることも考えないといけいと思いましたし、また、年を取ってきたら老後のことも考えなくてはいけないし、調子に乗っている場合じゃないことが段々分かるようになってきました。
その当時のお金の稼ぎ方も何か刹那的な感じだったというのも反省点です。長期的な視野に立っていなかったですね。
まあ、長くやっていると色々と学びは増えます。
昔の私と同じように調子に乗っている若い人を見ると、『多分ここで一回コケるな』と思ったらやっぱりコケます(笑)
人が一度壁にぶつかる展開まで予想できるようになりました(笑)
大体みんなおんなじように調子に乗って失敗して覚えるものかもしれないですね。
ショートカットしない
結果が出ないとどうしてもショートカット(近道)を探そうとしてしまいがちですが、それだと何にも残らないというか、プロセスをすっ飛ばして結果を求めるようになるので、プロセスの途中で本来学ぶべきことを学べなくなってしまいます。
そうすると、何かトラブルがあった時にうまく対処できないなどの問題が出てきたりします。
急激に大きくなった組織が一気に崩壊するのも、このショートカットが原因のこともあるように思います。
仕事を簡単にするショートカット(効率化)は良いと思うんです。でも、近道すべきでないところをショートカットしてしまうとあんまり良くないということです。
コツコツと信頼関係を築く
商売って結局信頼関係なのかなと思います。
信頼関係って一朝一夕で築けるものでもなくて、長い時間を掛けて築くものなのかなと思います。
例えば、自分自身とお客さんとの間に信頼度が50%しかないのと、80%なのとでは商売のやりやすさが全然違うと思います。
一年やそこらで築けるものではなくて、少しずつ熟成していくようなものなのかなと思います。
また、お客さんだけではなくて、日ごろから付き合う周囲の人との信頼関係もとても大事だと思います。
まとめ
焦って収入を増やそうとか、無理にお客さんを増やそうとか、急拡大しようとすると大体無理が祟って逆に自分を厳しい立場に追い込むことになりやすいのかなと思います。
頑張るのは良いですが、成長のペースがおかしいとどこかで歪みが出来て、後戻りするか、むしろ悪い方向に傾くこともあるのではないかと思います。
ちなみに、ここでの成長というのは、大きくなるということではないです。
ドラッカーのマネジメントという本に以下のようなことが書かれています。
個人の商売に当てはまるかわからないですが、少し紹介させて頂きます。
成長(大きくなる)そのものを目的にするな
あまりに急速な成長は組織を脆弱化する。中略。成長(大きくなる)そのものを目標にすることは間違いである。
大きくなること自体に価値はない。よい企業になることが正しい目標である。成長そのものは虚栄でしかない。
大きくなるということが大事ではなく、常に良い仕事・正しい仕事をすることを目標にすべきだということでしょうね。