今回のテーマは、『個人事業主はどのように名乗ればいい?仕事が取りやすくなる屋号のつけ方』についてです。
私も個人事業主として仕事を始めてから10数年経ちましたが、どのように自分を名乗れば良いか悩んだことがありました。
こんな人におすすめの記事
これから起業・開業しようかと考えていて名乗り方に悩んでいる人や、もうすでに屋号を決めて運営・営業している人で、個人事業主としてどんな風に名乗ればいいのかな?と思っている人向けの記事です。
屋号はいつでも変更したり、増やすこともできるので、屋号の名前の付け方にちょっと失敗したなと感じている人は、この記事を参考にして、変更してみるのもいいと思います。
ただ、お店などをすでに運営している人などは、変更すると面倒な手続きが大変な場合もあるので、慎重にした方がいいとは思います。
私の知っている範囲では「古物商」は、名前の変更をすると、警察署に届け出をしなければならないので、ちょっと面倒です。
結局は、個人事業主として確定申告するので所得は両方を合算して申告すればOKです。
話が少し横道に逸れましたが、
ちなみに、よくある屋号の名前の付け方の失敗例ですが(本人がそれでいいと言うなら構わないですが)、例えば、個人の中古車屋さんが「BE COOL」という屋号を付けたとします。
一見すると、まあよくあるカッコいい感じの名前ですが、「仕事を取る」という観点でいくと微妙だなと思います。何でこういう名前が微妙なのかを下に書いてみました。
スムーズに仕事が取れる個人事業主の名乗り方
正直なところ、個人事業主なんて信用もありませんし、屋号などを言っても誰一人知っている人はいないというのが現実です。
残念ですが、これは事実なんです。
一部の同業者が屋号を知っていたりしますが、それでもたまに名前を間違えられる始末です・・・。
でも、それで良いのではないかと思います。
個人事業主は別に名前で商売するのではないですからね。
例えば、大企業のTOYOT〇という社名を言えば誰でも知っているだろうと思います。最後の文字を隠してもわかるくらいですね。
でも、大手企業の人たちの大半は、会社を飛び出して一人で飯が食えるか?というと絶対無理だろうと思います。
反対に、名前が全く知られていなくても生きていけるのは個人事業主ならではの強みです。
自分で喰っていけるというのは、正直すごいことですよ。
少なくとも一国一城の主として胸を張っていいと思います。
屋号にはわかりやすい業種や職種を頭につけると仕事が取りやすい
(ホームページ制作を前面に出した例)
相手にどんな仕事をしているのかを知ってもらうことが一番大事です。
特に仕事を受注する立場の人ならこれは必須ですね。当然ながら。
何が得意で何を提供してくれるかわからない人に仕事を頼むことはありませんからね。
まずは自分が何屋で、何を依頼者に提供できるのかを明確に伝えるようにしましょう。
それに自分が思っているほど、人はあなたのことを何にも知らないということを前提にしておいた方がいいです。
これは私も同じように感じることが多いです。
だから、いかに人に正確に自分のことを知ってもらうかというのが難しいことなのかよくわかります。
ですから、屋号だけならなおさら分かりやすいものにしないと、どんな仕事をしているのかさっぱり分かりませんし、名前によっては別の業種と勘違いされ場合もあるので、屋号はわりと真剣に考えた方がいいです。
(自己紹介の例)
- 『フリーでカメラマンをやっている○○です。』
- 『整骨院をやっている○○です。』
- 『○○と申します。広告のデザインを作っています。』
自分の屋号を言っても99%以上の人がその屋号を知らないはずです。
ですので、自分の職種+本名(もしくは屋号)で名乗るのがいいと思います。
何屋なのかを明確にすると、実際に話が回ってきやすいです。
名刺には、例えば、ホームページ制作の〇〇と書くのがベストかなと思います。
(ホームページ制作を前面に出した名刺の例)
名刺の表面には自分が一番に売りたいものを打ち出すのがベストだろうと思います。他にいろんなモノやサービスを売っているとしても、一番自分が売りにしたいものを一番に持ってくるのは大事だと思います。
裏面も何か入れる場合は、細かな商品やサービスを列記したり、ホームページのQRコード、TwitterやFacebook、インスタグラムなどのアカウントを入れるのもいいと思います。
名刺のデザインやホームページのデザインはいいに越したことはないですが、それよりも何を前面に出して営業するのかを考えていく方が大事だろうと思います。
パラレルワークの場合は名刺を複数準備する
例えば今時、複数のしごとをこなすパラレルワーク(複業)をしている人も多いんじゃないですかね?
私も実際、ずっと10数年間そんな感じで動いてきましたし、これからも、もしかしたら新しい仕事をするかもしれません。先のことは正直わかりません。
そんな時は、それぞれの仕事の名刺を準備するのがベターです。
例えば、本業で『ホームページ制作』をしている人が、実は裏の顔は『ユーチューバー』なんてこともあると思います。
この場合は、ホームページ制作とYouTubeの属性が似ているので、名刺は一枚でいいという場合もあると思います。
でも例えば、『八百屋』さんが裏で『ホームページ制作』をしていたら、どうでしょう?
『八百屋』と『ホームページ制作』が同じ名刺に書かれていたら、さすがに渡された人は引きますよね?
八百屋さんにホームページを作ってもらっても大丈夫なんだろうか?
と心配になりますよね。
だから、八百屋が本業で、ホームページ制作が得意な場合は、名刺はそれぞれ分けて持つといいと思います。まあ、そうそうこのような組み合わせの人はいないとは思いますが・・・。
でも実際に私の知る限りでは酒屋さんが介護の仕事とホームページ制作まで請け負っているところもあったりするので、ないとは言い切れないですね。。
また、八百屋さんに特化した八百屋専門のホームページ制作なら同じ名刺一枚でもいいと思います。
まあ、いろいろと考えたらきりがないですが、できる限り、名刺を受け取った人の頭がこんがらがらないようにするのがいいと思います。
英語表記は理由がないかぎり避ける
上に中古車販売「BE COOL」という屋号が微妙と書きました。
何で微妙なのかの理由の一つが、英語表記という点です。
日本人で「BE COOL」という名前を聞いて、英語の意味を連想できる人には限りが出てしまいます。
それに何の仕事なのかが全く想像できません。
「BE COOL」という言葉の意味が「かっこよくなろう」みたいなニュアンスだと思いますが、美容室ならそれでもいいと思いますが、中古車販売でかっこよくなろうと言われても・・・となりますよね。
カッコいい車に限定して販売しているならいいですけど、一般向けの中古車販売ならちょっとという気もします。
ただ、これも個人の好き好きですし、自分が好きでつけた名前ならまあそれで進めてもいいとは思います。
ただ、少なくとも、「中古車販売 BE COOL(ビークール)」と頭に何を販売しているか分かる言葉を入れたり、カタカナ表記も入れた方がいいように思います。
カタカナにしたら、「ビークール」と「ビークル(車という意味)」で逆に言葉遊びで面白い面もありますね。
名前を聞いて職業が連想しやすいのがベター
個人事業主の屋号は一般企業みたいに知られていないので、聞いてすぐに何の仕事なのかわかるのがベストです。
さきほど話したように、屋号の前に職業名を入れるのも手ですが、ちょっと野暮ったいとか、名前が長すぎるとかいろいろ嫌な面もあります。
そんな時は、屋号をそのまま丸ごと人にイメージされやすい名前にするのも手です。
例えば、「モノタロウ」という事業者向けの通販サイトがあるのですが、このネーミングはめちゃめちゃわかりやすいですよね。
とりあえず、何かモノを売っているところなんだろうなというのは推測できます。
そして、ホームページを見てなるほどそういうお店なのかというのがすぐに理解できます。
キャッチーなネーミングですね。覚えやすし、検索もされそうですね。
私の拙ブログの場合は、「ちょいビズ」という名前にしていますが、皆さんがどうとらえるか分かりませんが、ちょっとしたビジネスというのを略して「ちょいビズ」としました。
このネーミングで、大企業のビジネスのことをイメージする人はいないと思いますし、なんとなく「ちっちぇビジネス」のことを書いているんだろうなと少しは推測できると思います。
こんな感じで、受け取り手にどんな仕事なのかを連想させられる名前をつけると相手と話すときも説明がめちゃめちゃ楽です。
また、実際に私の本業のお店のネーミングも、人が聞いて何を売っているかをある程度連想できるようにしています。
名前である程度の推測をしてくれて、更に由来を話すと皆さんすぐに納得してくれます。
それに本業の方は地域限定で展開しているので、県名を屋号に入れています。
そうすることによって、同一県内の問い合わせが当然増えますし、県外の人なら「この地域の業者に問い合わせても対応してもらえないな」と思ってもらう効果もあるので、他の地域の人からの問い合わせを減らす上でも役立っていると思います。
パイは限られますが、地域を絞る方が戦いやすい場合も確かにあると思います。
補足ですが、先述の例でいくと「ホームページ制作」という言葉を頭につけるといいと書きましたが、もしITサポート全般をやるつもりなら、ITサポートとした方がいいように思います。
ただし、メインとなる仕事(このページの場合はホームページ制作)はできるだけぶらさないようにした方が、仕事がやりやすいし、仕事も取りやすいというのはあると思います。
すべてのことに精通している人ってなかなかいないですし、何でも請けていたら体が持たないというのも確かにありますね。
無理に名乗らなくていい職業もある
特にネットで仕事が完結する人は名乗る必要性を感じない人も多いと思います。
名乗る必要性がない職業
- ユーチューバー
- メルカリ・ヤフオクなどの物販
- ブロガー
- アフィリエイター
- その他 ネットで完結する職業
こういう人たちは実際に面と向かって商売をするわけではないので、人に仕事を説明する必要性もないですし、人に職業を聞かれても「これ」と伝えにくいというのは確かにあると思います。
サイトを見せて、「こういうことをしている」と言うのも野暮ったいし、どうしてそれで飯が食えるのか理解しない人・できない人も中にはいます。
実際私も10年以上ネットだけで食べてきたので、その気持ちはよくわかります。
ネットのことがわからない人に自分の仕事を説明するのって正直面倒ですし、説明してもわかってもらえないのでフラストレーションが溜まるばかりですよね。
今は実店舗も運営しているので、まあ信用度は増しましたが。。
古い考えの人ほど実態がないとどうも納得されないようです。
これはもう仕方がないですね。
まとめ
名乗る必要性がない人は無理に名乗る必要はないと思います。でもどうしても自分の仕事を理解してもらいたい場合は、実態のある事務所かお店などを持って活動内容を知ってもらうといいですよ。