今回のテーマは、『商売を長く続けるのに大切なこと』です。
商売を長くしていてよく目につくことに、その場限りとばかりに、お客さんを欺いて利益を狡猾に得ようとする人です。
確かにそういうやり方をすれば、その時は儲かるかもしれません。
しかし、長いスパン(期間)で見るとマイナスになることは必至です。
ここでは短絡的に利益を追求することの悪い理由と、長期的に商売を続けるための考え方について書いてみます。
商売を継続するには
商品やサービスの相場以上に儲けようとしない
どんな商品にもある程度の相場というものがあります。
相手の足元を見て不当な値段をつけて販売したり、相手がわからないと思って相場よりバカに高い価格利益を上げて売っても、いずれ自分の身を苦しめることになります。
それは周囲から『あの店は不当に利益を上げている』と漏れ聞こえてくることもあるでしょうし、もしくは、今ならインターネットで相場を見て、ちょっと購入した商品の値段が高すぎじゃないか?と疑問に持たれることもあると思います。
当然、どんな事業でも営業するにあたり経費も掛かりますから利益は必要です。
また他店と簡単に比較できないもありますが、相場を大きく逸脱した価格は慎まなければならないと思います。
そうでなければ、お客は二度とあなたから商品やサービスを購入しないばかりか、周囲の人からも『あのお店(人・会社)は良くない』のレッテルを貼られ、評判が著しく悪くなる恐れがあります。
そうならないためにも、どんな商売でも、その時の相場には敏感になっておく必要があると思います。
相手の立場に立って商売をする
2つ目に大事なことは、これも当然ですが、相手(お客さん)の立場に立って商売をすることです。
商売をやっていると、どうしても利益を追求するあまり、お客さんの立場でものが見えなくなることがあります。
ただ『売れれば良い』とか、『売れたら後は知らん』では済まされないということです。
売った後でも何か問題があれば返品に応じるとか、メンテナンスしてあげるとかそんな心遣いがとても大切です。
自分がして欲しいことを、他人にもしてあげる気持ちが大切です。
そうすれば、そうそうお客さんが離れることはありませんし、むしろ強い信頼関係を築けるはずです。
常にバージョンアップを心がける
仕事をしていると、色んなところに効率が悪いと感じる部分があったり、もう少しこうすれば、売り上げが上がるという箇所が見えてきます。
そんな時に、二の足を踏んだり、無視すると全然向上しません。
しかし毎日少しづつでも向上・変化する気持ちで仕事に取り組めば、おのずとお客さんも増え、利益も増えることになると思います。
日々進化するために、悪いところは改めて、学ぶ気持ちを忘れないことが大切ですね。
時代の変化に対応する
個人や小さな企業が、『世の中の時代の変化を止めること 』 は殆ど不可能です。
それなら、時代の変化についていくしかありません。
10年前に主力にしていた商品やサービスでも、時代が変わると全く売れないということもあると思います。
それは、時代と共に世間の趣向が変わったり、顧客の年齢が変化することでおこります。
また経済・景気の動向に左右されることも多々あります。
ですから、『過去の栄光』にしがみつくのではなくて、時代の変化に敏感になり、時代に合わせた商品やサービスを見つけていくことがとても重要です。
『小さな利益』を馬鹿にしない
商売をしている以上、利益を上げなければなりません。
そうでなければ、商売を継続できなくなります。
『利益』と考えると、『高いもの』を売った方が効率よく稼げるように思います。
確かにそれは事実。
ただ、個人的には小さな利益も馬鹿にならないと、長く商売を続けてきて感じていることがあります。
というのも、『小さな利益』でも継続すれば、『大きな利益』になるということです。
100円の利益でも100個売れば1万円になります。
小さい?
確かに商売にとって1万円という大きくはありませんが、これが積み重なると、とても大きな利益になります。
大金に目が眩んでいる人には、このお金がなかなか見えません。
ダイソーがあのように巨大な企業になったのは、まさに小さな利益をコツコツ積み上げたから。
例えば、個人の話をすると、毎月50万円稼いでいた人が小さな利益を大事にして、55万円に利益を増やせたなら、毎月5万円のお金が溢れ出てくるということです。
年に直すと60万円です。大きいですね。
そのお金が余剰資金になれば、商売への再投資が可能になります。
このように長く商売するなら、小さな利益を大事にすることもおすすめします。
商品や資材を大事に扱う
もう一つ大事なことに、『物を大切に扱う』というのがあります。
商品を扱う方なら、当然、商品の取り扱いには細心の注意が必要です。
商売は商品の対価としてお金を頂くので、当然、商品に不具合や問題があってはなりませんが、それ以前に、商品を丁寧に取り扱う気持ちがとても大事です。
それこそ『ドカッ』 と 雑に扱ったりするのではなく、わが子を扱うように取り扱うことが大事だと思います。
そうすることで、自然と商品に対して感謝や敬意の気持ちが高まります。商品を丁寧に扱うということは、言ってみると、自分の商売に敬意を払うということです。
また、商売で使う機材や資材も丁寧に取り扱いたいものです。
いまどきパソコン一台からでも生み出せる利益は大きいはずですし、もし万が一パソコンが故障すると事業に支障をきたしたり、買い替えの費用も掛かってしまいます。
適切に使っていれば、故障しなかったのに、雑に扱ったために業務に影響を及ぼしたとなるともったいないですね。
ですから、どんなものでも、大切に扱う気持ちがとても大事だと思います。
お客さんに優劣をつけない
『商品やサービスを買ってくれる人だけを大切にする人』や『大金を使ってくれる人』だけを顧客として扱う人は、反対に『人』を失う恐れがあります。
確かに商売は利益を追求することにありますが、人はお金だけで判断するものではありません。
そのような人には『お金に執着した人』しか寄り付かなくなるということになります。
つまり、あなたが人を見ると『金』に見えるのと同様に、あなた自身も『お金に執着した人』 には『金』にしか見えないということです。
もしあなたの商売が傾くと、そのような 『お金に執着した人』 は去って行き、もともといたはずの『(ふつうの)人』には相手にされないので、完全に『孤立』することになります。
そうなりたくなければ、人に優劣をつけずに分け隔てなく付き合うことが大切です。
適切なところに適切な量のお金を使う
商売をやるには、ある程度のお金が必要です。
ここで大切なことが、『お金の使い方』。
ダメな人は稼いだお金を、遊びに全部使ってしまいます。
全然お金が貯まらないから、次の投資ができなくなってしまいます。
さらに借金を重ねて伸びるどころか、だんだん商売は辛くなるばかりです。
反対に商売が上手な人は、稼いだお金を確実にプールして、適切なところに投資します。投資と言っても、株などではなく、自分の事業にです。
また、ここぞという機会にお金を使う意識があるので、チャンスを掴みやすいです。
お金の使い方には細心の注意を払うことが大切です。
まとめ
継続している商売を見ると、一見派手に見えても、実は細部を見るとかなり小さなことを徹底している個人や会社がほとんどです。
ですから、一気に大儲けを考えるのではなく、着実に一歩一歩前に進む気持ちが一番大切だと思います。